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ホテルの閑散期は「最大のチャンス」?売上を守り、次の繁忙期に備える方法

ホテル経営に携わる人なら誰しもが直面する課題、それが「閑散期」です。
予約が取りづらいほど客室が埋まる繁忙期には、フロントも清掃もレストランも大忙しで、嬉しい悲鳴を上げながら対応に追われることでしょう。ところが一転、閑散期になると予約は途切れ、客室がぽっかり空いたままの日が続く。売上グラフは急降下し、固定費だけがのしかかってくる…。そんな現実を経験した方は少なくないはずです。

この“落差”こそがホテル経営の難しさであり、同時に大きな悩みの種でもあります。
しかし、ここで視点を変えてみましょう。閑散期は単なる「ピンチ」ではなく、未来の売上とブランド価値を築くための絶好のチャンスでもあるのです。

繁忙期に備えた改善や、普段は手が回らない集客戦略のテスト、スタッフ教育や設備メンテナンス──こうした取り組みを集中して行えるのは、まさに閑散期だからこそ。言い換えれば、閑散期をどう過ごすかが、次の繁忙期の収益を左右するといっても過言ではありません。

本記事では、ホテルの閑散期・繁忙期の特徴を整理したうえで、売上を守るための具体的な集客戦略、さらに繁忙期に向けて取り組むべき準備についてわかりやすく解説していきます。今日から実行できるヒントをお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

ホテルの閑散期と繁忙期はいつ?

一般的な閑散期

多くの宿泊施設で稼働率が下がりやすいのは、以下のタイミングです。

  • 1月中旬〜2月(正月休み直後)
    年末年始の帰省や旅行ラッシュが終わると、人々の財布の紐は一気に固くなります。受験シーズンでもあるため、家族旅行が控えられる傾向があります。
  • 5月中旬〜6月(GW明けから梅雨入り)
    ゴールデンウィークで一度旅行需要がピークを迎えた直後。加えて梅雨入りで天候が不安定になるため、観光需要は落ち込みやすい時期です。
  • 8月後半〜9月(お盆明けから秋口)
    お盆休みでの帰省・旅行が一段落すると、多くの家庭では「新学期の準備」にシフト。台風シーズンとも重なり、旅行意欲は低下します。

これらの時期は「長期休暇がない」「気候が不安定」「イベントが少ない」といった要因が重なり、全体的に旅行需要が落ち込みやすいのです。

一般的な繁忙期

一方で、ホテルが満室になりやすいのは次のシーズンです。

  • 春休み(3月後半〜4月上旬)
    卒業旅行や新生活前の家族旅行など、短期間ながら需要が急増します。
  • ゴールデンウィーク
    国内旅行・帰省ともにトップシーズン。観光地のホテルは数か月前から予約が埋まります。
  • 夏休み(7月後半〜8月)
    家族旅行、海水浴、避暑目的のリゾート滞在など多様な需要が集中します。航空券や新幹線も高騰する時期です。
  • 年末年始
    帰省・初詣・カウントダウンイベントなど、日本国内で最も旅行者が増えるシーズン。地方の宿泊施設も軒並み満室になる傾向があります。

これらの繁忙期は「休暇 × イベント × 季節感」の3要素が重なり、旅行需要が一気に膨らむのが特徴です。

立地・ホテルタイプで変わる繁閑期

ホテルの繁閑期は「カレンダー」だけでなく、立地や業態によって大きく異なります。

ビーチリゾートのホテル
夏の海水浴シーズンにピークを迎えます。逆に冬は観光需要が落ち込みやすい。

ビジネスホテル
出張需要が高い平日が繁忙期。逆に土日祝は需要が減り、閑散期となりやすい。

リゾートホテル
観光やレジャー利用が多いため、土日祝や連休が繁忙期。平日が閑散期になりがちです。

スキー場周辺のホテル
冬のスキーシーズンが圧倒的な繁忙期。雪がなくなる春以降は閑散期が長く続く傾向があります。

閑散期に売上を守る3つの戦略

1. 新しい顧客層を掘り起こす

閑散期は「これまで届かなかった層」にアプローチする絶好のチャンスです。普段の繁忙期では受け入れられない実験的なプランを試し、新しい需要を開拓しましょう。

  • ワーケーションプラン
    リモートワークが定着した今、Wi-Fiや電源の確保、ワークデスクの用意などは必須。長期滞在割引を加えると「出張+休暇」の需要を取り込みやすくなります。
  • ソロ旅プラン
    特に20〜40代女性に人気。1人でも気兼ねなく利用できるシングルルームの充実や、個食に対応したレストラン席、一人で体験できるアクティビティ(ヨガ、撮影ツアーなど)が効果的です。
  • グルメプラン
    食を目的に旅行する層を狙います。閑散期だからこそ仕入れられる旬の食材を活かし、地元の魅力を発信する料理を提供することで「食目当て」の顧客を呼び込めます。
  • 体験型プラン
    旅行者が求めているのは「宿泊+体験」。陶芸や工芸、地元食材を使った料理教室などをセットにすれば、観光以外の楽しみ方を提供できます。これによりSNS拡散効果も期待できます。

2. リピーターをVIP扱いする

広告やOTAに依存した新規集客はコストがかさみます。一方で、既存顧客であるリピーターはすでに信頼関係があり、費用対効果が高いのが特徴です。

  • 限定特典の案内
    メールやDMで「閑散期だけの特別プラン」や「再来訪割引」を案内。顧客が「自分だけに送られてきた」と感じるような工夫が重要です。
  • 誕生日や記念日プラン
    「誕生月はシャンパン1本サービス」などの特典は、再来訪を自然に促す仕掛けになります。パーソナライズされた体験は顧客ロイヤリティを高めます。
  • SNSを活用したつながり作り
    口コミに丁寧に返信する、宿泊後にフォローアップを行うなど、オンラインでの関係づくりも重要です。小さな積み重ねが「また泊まりたい」という感情を醸成します。

👉 ポイントは「顧客に大切にされている実感を与えること」。それだけで閑散期でも来館意欲を維持できます。

3. 価格戦略で需要をコントロール

宿泊料金は顧客の意思決定を左右する大きな要因。特に閑散期は価格の工夫が売上に直結します。

  • ダイナミックプライシング
    需要の高低に応じて価格を柔軟に変動させることで収益を最適化。閑散期は割安設定に、需要が戻る兆しがあれば価格を調整する。
  • 早期予約割引・長期滞在割引
    先々の予約を確保しつつ、長期滞在を促すことで稼働率を安定させる施策。ホテル側は稼働率予測が立てやすくなり、キャッシュフロー改善にもつながります。
  • 付加価値で差別化
    単純な値下げはブランド価値を傷つけるリスク大。代わりに「地元ワイン付きプラン」「特典アメニティ付きプラン」など、値段以上の体験を提供して“お得感”を演出しましょう。

閑散期は「仕込みの時期」でもある

売上対策と同時に、閑散期は繁忙期に備える準備のゴールデンタイムです。

  • サービス改善
    チェックイン動線の改善や、アメニティ・館内掲示物の見直しを行い、繁忙期の混雑をスムーズに処理できるように整備。
  • スタッフ研修
    接客マナー、クレーム対応、語学スキルを強化。ロールプレイング形式の研修は即戦力化に効果的です。
  • 設備メンテナンス
    カーペットや壁紙の張り替え、空調や厨房設備の点検、客室リニューアル工事などは閑散期だからこそ実施しやすい。

閑散期に仕込んだ改善は、繁忙期での顧客満足度を底上げし、口コミ評価の向上にも直結します。

まとめ:閑散期を「武器」に変える発想を

閑散期は売上が落ちる時期であると同時に、未来の稼働率を高めるための準備期間です。

  • 新しい顧客層を開拓するプラン作り
  • リピーターに特別感を提供
  • 価格戦略で稼働率を安定化
  • サービス改善・スタッフ教育・設備投資で繁忙期に備える

この4つを意識して取り組めば、「閑散期=損失」ではなく「次の成長の起爆剤」へと変えることができるでしょう。

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