Cloudflare大規模障害障害で影響したサービスと障害の原因・影響
2025年11月18日、世界中のウェブサービスを支えるCloudflareのグローバルネットワークで大規模な障害が発生しました。
公式ステータスページでは、「内部サービスの性能劣化」が確認されたと発表され、同社が提供する複数のサービスに断続的な不具合が生じました。
Cloudflareによる最初のアナウンスは 11:48 UTC。
この時点で「内部サービスに問題が発生し、一部機能の動作に影響が出ている」と報告し、復旧作業が開始されました。
障害の進展とCloudflareの対応
Cloudflareが公開した時系列は次の通りです。
🕒 タイムライン(UTC)
- 12:21
一部のサービスが復旧に向かう兆候は見られたものの、依然として通常より高いエラー率を記録。 - 13:04
ロンドン地域での復旧作業中、WARPへのアクセスが一時停止。ユーザーは一時的に接続不能に。 - 13:09
障害の原因を特定し、修正作業が本格的にスタート。 - 13:13
システムへ変更が適用され、Cloudflare Access・WARPが復旧。ロンドンでのWARPアクセスも再び利用可能に。 - 13:35
アプリケーションサービスを利用するユーザー向けの復旧作業が継続中と報告。
複数の工程を経て障害は段階的に解消され、主要サービスは順次復旧しました。
Cloudflareが原因を公式に説明
障害発生後、Cloudflareは公式ブログで詳細な技術レポートを公開し、今回のトラブルについて明確に説明しています。
「外部攻撃ではない」Cloudflareが明言
Cloudflareは今回の障害について、次のように強調しました。
「今回の事象は、サイバー攻撃や悪意のある活動が直接・間接に関与したものではありません」
原因は外部要因ではなく、Cloudflare内部のシステム不具合によるものであると説明しています。
原因:Bot Managementの「feature file」に異常
問題の発端となったのは、悪質ボットを判定する機能「Bot Management」。
この仕組みは機械学習モデルを用い、危険度を評価するためのデータが「feature file」というファイルにまとめられています。このファイルは数分ごとに更新される仕組み。
しかし今回、feature fileを生成するシステムの更新時に本来存在しない“重複行”が作られるバグが発生。
その結果:
- ファイルサイズが急激に増大
- Bot Managementが整合性エラーを起こす
- Bot Management経由のすべてのトラフィックで 500番台エラー が返される状態に
という連鎖的トラブルに発展しました。
Bot Managementは多くのサービスの通信経路で利用されているため、障害が一気に広範囲へ波及した形です。
復旧までの時系列(日本時間)
Cloudflareの報告を日本時間に置き換え、時系列で整理すると以下になります。
- 20:28
ユーザーのHTTPトラフィックで最初の500番台エラーを検知 - 20:31
Cloudflareの自動テストシステムが異常を感知 - 20:32
社内の技術チームが調査を開始 - 23:24
Bot Managementのfeature fileが原因であることを特定 - 23:30
修正を適用し、大部分のサービスが復旧 - 翌 02:06
全サービスの完全復旧を確認し、対応完了
迅速な調査により、広範囲に影響したにもかかわらず数時間で復旧が完了しました。
Cloudflareとは?
Cloudflareは、2009年に米サンフランシスコで設立されたクラウドサービス企業です。
世界中のウェブサイトやアプリケーションを高速化し、安全に保つためのサービスを提供しています。
例えるなら、インターネットという巨大な高速道路の「交通整理」と「防犯対策」を同時に担う存在。
データセンターはアメリカ、カナダ、欧州、東京を含むアジア圏など、世界各地に広がっています。
今回の障害で影響したサービス
Cloudflareはインターネットのインフラに深く組み込まれているため、障害が起こると依存するサービスが一斉に影響を受けます。
代表的な影響例は以下の通りです。
- ChatGPT、ClaudeなどAIサービス
→ 応答が遅れる、アクセス不能など - X(旧Twitter)
→ 投稿が読み込めない、エラー表示など - Google関連サービス
→ 検索やクラウド利用で不具合の可能性 - AWS(Amazon Web Services)
→ 世界中の企業の基盤が影響を受け、波及的に障害発生 - Discord / Steam
→ 接続障害や遅延が発生 - オンラインゲーム(LoL・Among Us など)
→ サーバーへの接続不可・高遅延 - Canvaなど各種ウェブアプリ
→ 画面が読み込めない、ログインできないなど
Cloudflareが「インターネットの要」に位置していることがよく分かる状況でした。
ユーザーができること
Cloudflare障害時は、一般ユーザー側でできる対応は限られています。
- 公式ステータスを確認する
- SNSの誤情報に注意し、公式発表を優先
- 復旧を待つしかない(ユーザー側で解決手段はなし)
インターネットの脆さが露呈した事件
今回の大規模障害は、便利で高速なインターネットが
たった1つのインフラに大きく依存している
という現実を浮き彫りにしました。
筆者自身も複数のサービスが同時に利用できなくなり、情報収集や作業が完全にストップ。
「効率化の裏に潜む脆弱性」を強く実感する出来事でした。
まとめ:Cloudflare障害が与えた教訓
2025年11月18日に発生したCloudflare障害は、世界的な規模でサービス停止を引き起こしました。
複数のデータセンターで行われていたメンテナンスも影響の把握を難しくし、復旧には段階的な対応が求められました。
今回の問題は、次の点を示す象徴的な事例です。
- インターネットは少数のインフラ企業に大きく依存している
- そのため単一障害で世界的なサービス停止が起こり得る
- サービス提供側は冗長化・分散化の重要性を再認識すべき
この記事へのコメントはありません。