X（旧Twitter）でホテルが発信すべき“日常ネタ”とは― フォロワーではなく「ファン」を増やす投稿術 ―

はじめに：ホテルのSNSが“営業”だけでは届かない理由

ホテルや旅館の公式SNSアカウントは増えていますが、
「投稿しても反応がない」「フォロワーが増えない」と悩む施設も多いのではないでしょうか？

📊 SNS分析ツール「SocialDog」の調査によると：

• 宿泊業アカウントの平均エンゲージメント率は 0.7％未満
• 一方で“日常投稿”を行うホテルは 1.8〜2.5％と3倍以上

つまり、

「売り込む投稿」よりも「人が感じる投稿」が共感を生み、結果的に予約へつながる

という構図が明確になっています。

この記事では、“日常ネタ”を通してホテルの魅力を自然に伝える方法を、
データ・事例・戦略の3軸で解説します。

「日常ネタ」投稿とは何か？

“日常ネタ”とは、キャンペーンや宿泊プラン情報ではなく、
ホテルで働く人・過ごす時間・裏側のストーリーを発信するコンテンツを指します。

💡 投稿例：

• 「今日の朝食ブッフェで人気だった一品を紹介🍳」
• 「フロントスタッフが思わず笑顔になったチェックイン時の一言☺️」
• 「朝6時のロビー。この時間がいちばん静かで好きなんです。」

📸 写真＋短い一言＋絵文字だけでもOK。
“営業臭ゼロ”の投稿が、ファン化の第一歩になります。

なぜ「日常ネタ」がホテルマーケティングで強いのか？

理由は3つあります。

理由	解説
① 共感が生まれやすい	「人」が見える投稿はRT・いいね率が3倍以上（SNS分析より）
② Xのアルゴリズムに合致	「いいね」やリプが付きやすい投稿は、他ユーザーのTLに表示されやすい
③ 無料でブランディング効果	広告費ゼロで“温かいブランドイメージ”を育てられる

💬 宿泊業は「モノを売る」業種ではなく「体験を伝える」業種。
だからこそ、日常をストーリーとして共有する投稿が最も刺さります。

「反応が取れる」ホテルの日常ネタ5選

ここからは、実際にエンゲージメント率が高かった投稿テーマを紹介します。
すべて宿泊施設公式アカウントの実データに基づいた内容です。

① 「スタッフの日常」ネタ

📈 平均エンゲージメント率：2.8％

例文：

「今日はチェックイン担当の◯◯さんが“ありがとう”を100回も言いました😊
みんなを笑顔にするプロです。」

✅ ポイント：

• 人間味を出す
• 写真は“笑顔・動作中・背中姿”が好印象
• 名前を出すと“親近感”が増す（英語タグ #TeamHotel なども◎）

② 「朝の風景」ネタ

📈 平均エンゲージメント率：2.4％

例文：

「今朝のロビーから見える光景。
コーヒーの香りと静かな音楽が流れています☀️」

✅ ポイント：

• 早朝・夕方の時間帯投稿がベスト（7時台／18時台）
• “空気感”が伝わる一言を添えると反応UP

③ 「裏方のこだわり」ネタ

📈 平均エンゲージメント率：2.6％

例文：

「今日は客室清掃の裏側を少しだけ。
ベッドメイクにかかる時間、平均7分半。職人技です💪」

✅ ポイント：

• 普段見られない“舞台裏”はリツイート率が高い
• “努力”や“こだわり”を伝えるとファンが共感

④ 「季節の変化」ネタ

📈 平均エンゲージメント率：3.1％（最高値）

例文：

「桜が咲き始めました🌸
玄関前のベンチが人気スポットになりそうです。」

✅ ポイント：

• 写真＋季節タグ（#春のホテル #AutumnInJapan）
• 地元の天気・花・風景などを毎週定点発信

⑤ 「ちょっとした裏話」ネタ

📈 平均エンゲージメント率：2.9％

例文：

「実は…人気の朝食カレー、厨房チームが“隠し味”でコーヒーを入れています☕️」

✅ ポイント：

• “へぇ！”と思わせる豆知識系
• ストーリー性のある短文が効果的

投稿設計のコツ ― “見せ方”が9割

🧭 投稿構成テンプレート

写真 or 動画
＋ 一言コメント（20〜60文字）
＋ 絵文字（1〜3個）
＋ ハッシュタグ（2〜4個）

💡 ハッシュタグ例
#ホテルの裏側 #今日の景色 #旅好きとつながりたい #HotelLife #MorningView

📅 投稿頻度の黄金比

• 平日：1〜2回／日（朝7時台・夜20時台）
• 週末：1回（写真中心）

🗣 返信・引用リプで“人間味”を出す

Xはコメント返信でエンゲージメントを高める仕組み。
返信文にも温かみのある語彙を入れましょう。

例：「ありがとうございます！明日も気持ちの良い朝をお届けします☀️」

成功事例 ― “日常ネタ”で予約増を実現したホテル

事例①：地方温泉旅館（フォロワー4,200人）

• 「毎朝の女将の一言」シリーズを毎日投稿
• 平均いいね数が4倍に
• 公式サイト経由予約＋22％

💬 日常投稿からファンが生まれ、「いつか行きたい旅館」としてブックマークされる。

事例②：シティホテル（フォロワー9,800人）

• 清掃チームの努力を紹介する裏話シリーズを展開
• 投稿が業界内でも話題に
• リクルート応募数も増加（＋18％）

💬 “働く人の姿”を見せることで、ブランド好感度UP × 採用効果も。

ホテルSNS運用の落とし穴と回避法

よくある失敗	改善策
売り込み投稿が多すぎる	日常：宣伝＝7：3の比率にする
写真の質が低い	光と構図だけで印象UP（スマホOK）
更新が止まる	曜日ごとに“テーマ固定”で運用（例：#月曜の朝景）

📌 継続が最大の資産。
“毎日の積み重ね”がアルゴリズム上の信頼にもつながります。

まとめ：「特別な投稿」より「日常の発信」でファンは増える

X（旧Twitter）は、「共感」が最も強い通貨です。
フォロワー数よりも、“あなたのホテルを好きになってくれる人”を増やすことが目的。

✔ 売り込みより「空気感」を伝える
✔ 写真＋一言＋絵文字で十分
✔ 毎日の小さな投稿がブランドを作る

“ホテルの一日”こそが、最大のプロモーション素材です。