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OTA掲載情報の棚卸し|1年放置した施設ページで起きていること

OTA掲載情報の棚卸し|1年放置した施設ページで起きていること

OTAの施設ページを、最後に上から下まで確認したのはいつでしょうか。

「プランと料金は毎月触っているが、施設情報は登録したときのまま」

「担当者が代わってから、どこに何を書いたか誰も把握していない」

多くの施設で、こうした状態が起きています。日々の運用で触るのは料金と在庫だけで、施設情報や設備、写真は登録時のまま数年経っている、というケースです。

放置された掲載情報は、静かに機会損失を生みます。しかも、予約が減った理由としては最後まで疑われません。

本記事では、OTAの掲載情報を棚卸しする手順と、そのまま使えるチェックリストを解説します。1施設あたり2時間ほどで一巡できます。

1年放置すると、施設ページで何が起きるか

書いてある内容と、実際の運用がずれる

宿泊施設の運用は、少しずつ変わります。朝食の提供時間、大浴場の清掃時間帯、駐車場の台数、貸出品の有無。どれも現場では自然に変わっていきます。

しかし掲載情報は、意識して直さない限り古いままです。すると、ページには「貸出あり」と書いてあるのに現場にはない、という食い違いが生まれます。

この食い違いは、宿泊者にとっては「聞いていた話と違う」という体験になります。そして多くの場合、口コミに書かれます。

低評価の原因が、接客でも設備でもなく掲載情報の古さだった、というのは珍しくありません。

検索条件で絞り込まれたときに、候補から消える

OTAの検索画面には、設備やサービスで絞り込む条件が並んでいます。旅行者はここで候補を絞ります。

この絞り込みは、施設が登録した情報をもとに動きます。実際には対応しているのに登録していなければ、そもそも候補に出ません。

後からWi-Fiを全室に入れた、電子決済に対応した、和洋室を改装した。こうした変更を掲載情報に反映していない施設は、実力より狭い母集団の中で戦っていることになります。

掲載順位そのものの話は楽天トラベル・じゃらんの掲載順位が下がった理由|OTA運用代行で復活させた実例で扱っていますが、順位を上げる以前に「検索結果に出ているか」を確認すべき、というのが本記事の趣旨です。

写真が、いまの施設と一致しなくなる

改装した客室の写真が古いまま、というのは分かりやすい例です。実際にはもっと細かいところでずれます。

ロビーの什器を替えた、ベッドカバーの色が変わった、季節メニューの写真が3年前の内容のまま。ひとつひとつは小さくても、積み重なると「情報が古い施設」という印象になります。

また、OTA各社が推奨する画像サイズは変わることがあります。古い画像が引き伸ばされて表示されていないかも、あわせて確認しておきたいところです(OTAサイト別推奨画像サイズ)。

棚卸しで見るべき7つの領域

やみくもに上から見ていくと必ず抜けます。次の7つに分けて、順番に確認します。

領域主な確認対象ずれたときの影響
① 基本情報施設名・住所・電話・チェックイン/アウト時刻問い合わせ増加、当日トラブル
② 設備・サービスWi-Fi・駐車場・大浴場・貸出品・決済手段検索の絞り込みから外れる
③ 客室情報部屋タイプ・広さ・定員・備品期待とのギャップ、低評価
④ 写真枚数・順序・季節・改装後の反映クリック率の低下
⑤ プラン販売中プランの内容・説明文・特典売れ筋の取りこぼし
⑥ 規定キャンセル規定・小人料金・年齢制限金銭トラブル、返金対応の増加
⑦ アクセス地図の位置・送迎の有無・最寄り駅からの経路到着遅延、当日の問い合わせ

このうち②と⑥は、後回しにされやすい割に影響が大きい領域です。②は集客の入口、⑥は金銭トラブルに直結します。

そのまま使える棚卸しチェックリスト

OTAごとに1枚ずつ用意して、上から順に確認してください。「現状」と「あるべき姿」が違う項目に印をつけていきます。

  • 施設名の表記が、他のOTAや公式サイトと揃っているか
  • 電話番号・メールアドレスが現在も受信できるものか
  • チェックイン・チェックアウト時刻が、現在の運用と一致しているか
  • 最終チェックイン時刻の設定が、実際に受け入れ可能な時刻か
  • Wi-Fiの有無・対応範囲(全室/共用部のみ)が正しいか
  • 駐車場の有無・台数・料金・予約要否が正しいか
  • 対応している決済手段が、現在の実態と一致しているか
  • 貸出品リストに、廃止したものが残っていないか
  • 大浴場・温泉の営業時間、清掃で使えない時間帯が書かれているか
  • 禁煙・喫煙の設定が、現在の館内ルールと一致しているか
  • 各客室タイプの定員・広さ・ベッドサイズが正しいか
  • 販売を終了した客室タイプが残っていないか
  • 1枚目の写真が、いま最も見せたい写真になっているか
  • 改装・什器の入れ替えが写真に反映されているか
  • 季節が固定された写真(雪景色・桜など)が通年で先頭に出ていないか
  • 写真のキャプションが空欄のまま放置されていないか
  • 販売中プランのうち、1年以上売れていないものはないか
  • プラン説明文に、終了した特典やキャンペーンが残っていないか
  • キャンセル規定が、他のOTAや公式サイトと矛盾していないか
  • 小人料金・添い寝の条件が、現在の運用と一致しているか
  • 地図上のピンが、実際の建物の位置にあるか
  • 送迎の有無・条件・予約方法が正しいか

ひとつコツがあります。自施設のページを、宿泊者と同じ順路で見ることです。管理画面から確認するのではなく、実際の検索結果からたどってページを開いてください。

管理画面では正しく登録されているのに、表示上は途中で切れている、順序が意図と違う、といったずれはよくあります。これは表示側から見ないと気づけません。

直す順番の決め方

印をつけた項目をすべて同時に直そうとすると、たいてい途中で止まります。次の順で処理してください。

  1. 金銭・トラブルに直結するもの(キャンセル規定、料金条件、チェックイン時刻)
  2. 事実と違うもの(廃止した設備、存在しない貸出品、古い電話番号)
  3. 検索の絞り込みに関わるもの(設備・サービスの登録漏れ)
  4. クリック率に関わるもの(1枚目の写真、施設紹介文の冒頭)
  5. それ以外(説明文の表現、写真の追加)

1と2は、放置している間ずっと損失が出続けている項目です。ここだけでも当日中に直す価値があります。

3の登録漏れは、直した効果が数字に出やすい項目です。検索結果に出る母集団そのものが変わるためです。

棚卸しで実際に見つかる、よくあるずれ

抽象的なチェックリストだけではイメージしにくいと思います。実務でよく見つかる4つの型を挙げます。

「一時的に止めた」がそのまま残っている

設備の故障や工事で一時停止したサービスを、掲載情報から外したまま戻し忘れているケースです。

止めるときは急ぐので確実に外しますが、再開は「そのうち直そう」になりがちです。結果として、提供しているのに掲載されていないサービスが積み上がります。

止める作業と戻す作業を必ずセットで記録しておくと防げます。

担当者の交代で、更新の担当が消えている

プランと料金は引き継がれても、施設情報の更新は引き継ぎ項目に入っていないことがあります。

誰の担当でもない状態になると、気づく人がいなくなります。棚卸しの結果を直したあとは、次回の担当者と時期まで決めてください。

OTAごとに内容が食い違っている

楽天トラベルには書いてあるのにじゃらんにはない、海外OTAだけ古い写真のまま、というずれです。

複数のOTAを比較しながら予約先を決める旅行者は珍しくありません。条件が違って見えると、迷った末に他施設へ流れます。

チェックリストをOTAごとに1枚ずつ用意するのは、この食い違いを可視化するためです。

紹介文の冒頭が、いまの強みと合っていない

施設紹介文は、登録時に書いたまま数年経っていることが多い箇所です。

その間に、客層も強みも変わっているはずです。インバウンドが増えた、ワーケーション利用が定着した、リニューアルで客室が変わった。冒頭の2〜3文が古いままだと、いま来てほしい層に届きません。

直したあと、何を見て効果を確かめるか

棚卸しは作業量が多いので、効果が見えないと続きません。直した翌月に、次の3つを前月と比べてください。

  • 施設ページの閲覧数 設備の登録漏れを直した場合、検索結果に出る機会が増えるため、ここが動きます
  • 閲覧数に対する予約数の割合 写真や紹介文を直した効果は、ここに出ます
  • 問い合わせ件数 チェックイン時刻や駐車場など、基本情報の不備を直すと減ります

いずれもOTAの管理画面で確認できる数字です。棚卸しの前後で比べられるよう、着手前に現在値を控えておいてください。

3番目は見落とされがちですが、現場の負担に直結します。同じ質問の電話が減ることは、それ自体が改善です。

棚卸しを一度きりで終わらせない

掲載情報は、放っておけばまた古くなります。年に1回の大掃除にするより、次のように分散させるほうが続きます。

頻度確認する内容
毎月プランの説明文に、終了した特典が残っていないか
四半期写真の1枚目、季節写真の入れ替え
年1回本記事のチェックリストで全項目を一巡
都度設備・運用を変えた日に、その場で掲載情報も直す

最も効くのは最後の「都度」です。設備を変えたときに掲載情報も直す、というルールを作業手順に組み込めば、そもそも古くなりません。

なお、長く放置していた施設ページは、掲載内容の見直しだけでなく登録そのものを整理したほうが早い場合もあります。その判断はOTA新規登録・既存施設の「再登録」で稼働率を上げるコツを参考にしてください。

まとめ

掲載情報の古さは、予約が減った理由として最後まで疑われません。しかし実際には、検索の候補から外れ、期待とのギャップを生み、口コミの評価を下げています。

7つの領域に分けてチェックリストを一巡すれば、1施設2時間ほどで現状が把握できます。直す順番は、金銭に関わるもの、事実と違うもの、検索に関わるものの順です。

まずは自施設のページを、検索結果から宿泊者と同じ順路で開いてみてください。管理画面では気づけないずれが、必ず見つかります。

OTAの掲載内容まで手が回っていない施設さまへ

株式会社AKSは、宿泊施設の売上改善を専門とするコンサルティング会社です。OTAの運用代行、料金設計、掲載内容の改善までを一貫してお手伝いしています。

実際にご支援した施設の成果はコンサルティング運用実績でご覧いただけます。

「何から手を付ければよいか分からない」という段階でも構いません。現状をお聞きしたうえで、優先順位のご提案からいたします。

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